旅の話

野生動物の宝庫 Caprock Canyons State Park

広いテキサス。週末に行くには少し遠く、長い休みを取って旅行するにはちょっとな~という場所を探しました。パンデミックで飛行機の旅行が難しい今こそどうぞ。

私は、ヒューストンに来た20年以上前、オフィスの近くのテリハーシーパークや、ダウンタウンよりのメモリアルパークで狂ったようにマウンテンバイクをしていた頃がある。Gulf Stream 2001年8月号(気ままなフォトアルバム 2) 参照。運動量も多く、歯医者の職業病である腰痛もすっかり治り、いいのだが、なにせ危ない。その頃マウンテンバイクのことをマウバと呼んでいたが、マウバごとBayouに落ちたこともある。よく友達と遠征にも行っていたが、このまま続けるといつか手の骨を折ると、歯医者を中断かもと思いやめた。去年一番下の子が自転車に乗れるようになり、8歳の子に合わせたマウバなら大丈夫と思い、時々やってはいたが、2020年パンデミックで、自転車やカヤックは大人気で店先から姿を消した。2020年11月のThanksgiving。飛行機も飛んでないので、前からちょっと興味があったCaprock Canyons State Parkへ行くことにした。マウバもできる。

ここに興味があったわけは、バッファローが見れるからだ。プレーリードッグタウンもある。パンデミックのためステートパークは人数制限があり、なかなか予約が取れないが、ここだけは余裕でテント場も取れた。バッファローがいるとは書いてはあったものの、例によって、牧場のような柵の中に放し飼いにしてあるだけだろうし、プレーリードッグなんて、双眼鏡でわかるくらいだとたかをくくっていた。予約のテント場はステートパークから5分くらい外で、やはり中はいっぱいであった。ここはステートパークの近くを走っていた鉄道跡地もあり、その鉄道沿いにテントを張れる。ただ、基本駐車場で何もない。その代わり、まず予約が取れないことはない。探せばちゃんとしたおしゃれなB&Bもあるので、駐車場泊なんてという人にはそちらがお勧めだ。夜遅くに着き、次の朝ステートパークへ。遠くの方にバッファローらしき影。車で近づくとたくさんいる、柵はあるが自分たちもその中なので、まるで野生だ。日も少し登って、マウバトレイルをへ移動。何とステートパーク内のキャンプ場のすぐ横がプレーリードッグタウンになっていて、子供たちは大喜びだ。

8歳と15歳の子供2人とマウバで走る。11月で暑くなく気持ちいい。Palo Duro Canyonステートパークほどの特徴的な地形はないが、開けた岩地や砂漠を走っていく。道が下り、干上がった川筋を進んでいく。すると向こうから巨大な動物の気配が。水場があり、そこにバッファローが水を飲みに来ている。目の前だ。これはビビった。こんなのが突進してきたら、子供どころか、自分もひとたまりもないじゃん。柵の中だけじゃなかったの?大体一度は絶滅しかけた、巨大生物が目の前にいきなり出てきたので頭は混乱。子供はエサをやりたいとかのんきなこと言ってるが、いやいやそんなことしてる場合ではない。遠めに刺激しないように見る。写真だけはしっかり撮る、そのための望遠レンズだ(笑)。バッファローは人には興味も示さず歩き去っていった。

やはり餌付けをしないアメリカ方式はいい。宮島のシカのように人に群がってこられると私たち家族はすでに存在していない。興奮冷めやらぬまま、先に進む。低い場所で水が多いのか、その後も時々バッファローを見た。まさにバッファローが荒野を歩き回っていたころのアメリカ大陸に紛れ込んだ気がした。次は上りである。ほぼ上り詰めた時再びぎょっとした。何頭ものバッファローが、トレイルの頂上付近からこちらをにらんでいる。あんな群れが上から一気に駆け下りてきたら、死ぬしかない。トレイルの端の方に登り、叫んだり、フラッシュライトで照らしても動かない。

日が暮れて暗くなっていく。もしかして下の水場に行きたいのかなと思い、いったんマウバをもって、少し下り道端に隠れる。向こうはこっちを常に見ている。だいぶして、一頭がドッ、ドッという感じでゆっくり降りて行った。やはりそうだ水場だ。3頭ぐらいがゆっくりと下って行った。しかしまだ何頭も上にいて動かない。どうしよう。もうすっかり真っ暗だ。寒くなってきたし。もしかしたら。バッファローは大きいが、草食動物なので人間が怖いのかも。マウバはそのままで3人でブッシュに隠れてみる。

しばらくすると、自分たちの周りを、ドッ、ドッと地響き。かなり近いので、腹に響く。姿は見えないが、降りて行ってるようだ。いきなり目の前に出てこないことを願う。まるでジュラッシックパークの恐竜から身を隠してるみたいなスリルだった。こっちは映画ではない。無事すべて降りて行ったようなので、隠れていたブッシュから出て、テント場を目指す。真っ暗だ。フラッシュライトで山の中をGPS頼りに戻った。荒野の大冒険であった。

バッファローといえばイエローストーンだが、あれは基本車からだ。野生のバッファローにマウバで遭遇でき、こんな体験ができるところがほかにあるだろうか?この臨場感はすごい。私は今までオールタイムNo.1のステートパークはCaddo Lakeだと言ってきたが、今となってはここが一番に躍り出た感じだ。ハイキングでも同じ体験はできる。ジュラッシックパークの世界、そしてかわいいプレーリードッグも楽しめるここは理屈抜きに凄かった。

ここに載せられなかった写真はテキサス観光Caprock Canyons State Park トラベルギャラリーをご覧ください。テキサス観光は新しくなりました!”最新絵日記”も絶えずアップしているので、テキサスの旅行の参考にどうぞ。

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日本国内とだいぶ違う何かがあるテキサス。日本ではとてもじゃないけど経験できないようなところがたくさんあります。週末でも、ロングウイークエンドでも手軽に楽しめるところも多いです。南部アメリカの醍醐味を味わってください。なお、テキサス周辺のことも結構あります(笑)。